Jeremy、EMプログラムの終了についてコメント

UOHeraldにEMプログラムの中断について載ってたので、一日遅いですが日本語にしてみました。[2007/05/19]

ジェレミー・ダルバーグ
2007/05/17 米国東部標準時13:52 (=2007/05/18 日本標準時03:52)

「UOには、シーア(Seer)プログラム、IGM(Interest Game Mater)、そして現行のEM(Event Moderator)プログラムというような牽引力によって築かれてきた小規模な公式イベントの長く輝かしい歴史があります。これらのイベントは、参加できた人に楽しさを与えました。そして数年にわたってたくさんの小規模イベントが催され、それぞれのシャードの歴史に豊かさと深みを積み重ねてきました。
しかしながら、それらはさまざまな制限を受けたイベントでした。というのも、こうしたイベントは人力にたよる側面が大きく、規模も小さなものになってしまうのです。そして参加者にとっては素晴らしい楽しみである一方で、大多数のプレイヤーはイベントが起きたことを知ることさえないのです。

EMプログラム創設の他にも、全てのプレイヤーが参加できる大規模イベントを作り出すために、開発チームはかつて無いほど労力を費やしました。こうした大規模イベントへのプレイヤーからの反響は我々を喜ばせましたし、プレイヤーに興味をもたらし、激動する世界を感じてもらうための、ひとつの効果的な方法であって、色々な種類の内容についての実験でもあるとも感じました。

幾月かを費やしてこの大規模と小規模二種類のイベントの影響を調査したところ、開発陣製の(最近のInuイベントにみられるような大規模・全シャード型の)「ライブイベント」に注意を向けることで、UOコミュニティーにもっと楽しんでもらえるという結論に至ったのです。
現在中断されているEMプログラムは、今春中には再開されることはありません。これは苦渋の決断でしたが、もし将来において、小規模イベントが再びその時のUO世界にしっくりくるようであれば、もちろん再考します。

私達はEM諸氏がソーサリアの歴史に貢献してくれたことに感謝しています。彼らの歩む道に八徳の導きのあらんことを。」

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ここに書かれてる限りでは話は単純で、「EM製の小規模イベント」と「開発陣製の大規模イベント」のどちらがよりよくプレイヤーを喜ばせることができるかを調査した結果、後者がより適しているから今後も採用、前者はそうでないから当面中止するというわけです。

しかし急ですね。私が知っているいくつかのシャードに関しては、シナリオの途中です。といっても、その状態で1年以上EMイベントが無いシャードもありますから、EMプログラムの破綻…とは言わないまでも不調は目に見えていました。
実際、UOSSでの反応も、発表が突然であることに驚くだけで、内容については予想外だと感じる人は少なかったみたいです。

大規模、小規模どちらの方法でプレイヤーを楽しませるか。今回は大規模イベントの方に決定されたわけですが、Inuイベント群、例えばオフィディアンの侵攻、リカルドの裁判、ブラックロック騒動などは、確かにほぼ全プレイヤーにログインする動機を与え、さらに世界の変革を予感させ、目を向けさせたといえるでしょう。 大規模、全シャード開催という点で思い出すのはハロウィンイベントですが、これもUOSSでは高評価でした。Draconiなどの開発陣がShard of the Deadを楽しんで作っていましたが、その前年にもあった同シャードではEM達が力をあわせてプレイヤーに楽しみを提供していたのは、非常に面白い対比だと思います。
この時期は、イベントの提供仕方や提供者について試行錯誤の段階か転換期ではないか、などと推測できます。

また、少し前の話になりますが、EMプログラム導入とほぼ同時期に始まったオーク侵攻イベント(当サイトのEMレアの分類ではSeasonI〜)も各EA(EA、EAJ、EAKoreaなど)の管轄下でいくつかズレはあったものの、全シャード大規模イベントのプロトタイプとみていいかもしれません。このころは共同作業の段階でしょうけれど。
このように、開発陣はプレイヤーへの楽しみの提供方法を模索してきたのではないでしょうか。そのひとつの答えがEMであり、現在はその廃止というわけです。
しかし開発陣には、かなりの負担がもどってくることになるんではないでしょうか。当サイトのこちらに書いたように、欧米シャードではイベントを担当するボランティアスタッフのシーアは廃止されています。しかし、今回のEM廃止はシーアプログラムの復活の予兆だと見る人もいます。もしそうであれば、開発陣の負担は減りますが
初期EMにSeer出身者がいたように、もしSeerが復活するならEMからの出戻りで経験者が採用される可能性も十分あるでしょう。いや、そうでなくとも開発陣直轄のイベントチームがいてもおかしくはないでしょう。
というわけで、現在の私の関心事は、EMプログラム責任者であるGM Ziloや、リードEM Glamdring以下EM達の行方だったりするわけです。
彼らは「徳のお導き」でどこへ行くのでしょうか…
評価はどうあれ、EMというUOの歴史の1ページをもう少し追えたらなと思います。

Wilki、Banについてのコメント(11/16)

うちはサイトの性格上、ニュース関係を扱うことはほとんどないんですが、先日コミュニティ担当からデザイナーとして開発陣入りしたWilkiが熱いコメントを残したので、超訳でお送りします。
このスレッドは現在論争防止のために早々とロックされています。原文はこちら(U.Hall, UOSS)

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(Banを受けたが、それが過誤によるものとして訴えるプレイヤーに)...
Dupeされたアーティファクトを買ったことによってBanされた人はいないよ。それが大量でなければね。
そもそもDupeの原因になったバグに対して、責任の行き着くところは私たちだ。だから、(転売ではなく)自分のために、気付かないまま(Dupeされた)少数のアーティファクトや高級品を買ったとかいうようなプレイヤーをBanするのは公平ではないだろう。

しかしながら、「たくさん」のDupeされたアイテムを買ってそれを売っている人(彼らの家やバックパックを見ると40近いコブトススタチュー(=大きな女神像)や20個のハットオブマギ、青腕輪15個そしていくつかの一品もののイベントアイテムがごちゃまぜになっているようなとき)は、逃げさせはしない。
Duperがこのバグを悪用していたかもしれないという一方、真にUOへダメージを与えていた人たち、それはDupe品を売っていた人達なんだ。そういう人達の中で、「僕は売り手からアイテムを買っただけで、その由来なんか知らないんです」と言い逃れをする人は皆、頭をピシャリとやられて、黒いタールを塗られ、羽飾りを付けられなきゃならないね(注:懲罰と恥ずかしめの表現か)。

UOは「ゲーム」であって、ムカつく商売じゃない。
(単に)現金でUO内のものを売っているプレイヤーをBanしないからといって、そういう行為をすることでゲームに害をあたえるならば大目に見るつもりはない。
正直言って、「何年ものUO歴」があって「信用のある」仲介人や売り手の中で、バッグ満杯の転送トークンや非常にレアなイベントアイテム(たとえばUO内に存在すべき数を超えたものがバッグに入っているとか)がDupeされたものだと知らなかった、と私たちに真顔で言おうとする人がいるだろうか(注:実際にDupe品満載のたくさんのバッグを抱えて、上のように弁明する「信用と歴史ある」商人が何人もいたからこその皮肉でしょう)。

集団能力(Equine Puckey)だー!(注:UOには、基本的に一匹だと弱い動物などが集団になると能力を発揮する特性を「集団能力」と呼ぶ。つまりゲームを害してBanされた人間が束になって、「私は無実です」と押しかけて来たときの強烈さを茶化しているんだと思います。)

もし、こういう人達が私のところへわざわざメールをよこすんなら、976のなんとかかんとかに電話したほうがいいだろう、彼らの「とても悲しい」メールを読んだ時の私の反応は今言ったようなものになるんだから。(注:電話ネタがよくわからないため、あんま意味がわかりません)
今日までに、私は本当の間違いで三つのうちただ一つのアカウントをbanされたたったひとりのプレイヤーをban解除した。私はこれまでにメールを送ってきたプレイヤーを、ひとりひとり調査した。他に間違いがないか見つけるためにね。今夜、あるレディから、彼女は一度もバグを不正利用したこともなく、しかもUOを愛する二人の子供の良き母だと訴えるメールが来た。ふーん…、青ルニック、Bルニック、大工Hルニックが30本ずつ入ったバッグがお宅にあった件について何かコメントは?あなたが124個のハットオブマギの入ったバッグと、たくさんのアーティファクトを隠そうとしていたという事実はいかがでしょう?

そんな人たちに言おう、わざわざメールしないでくれないか!
私は昨日生まれたわけじゃないよ、ダサいお情け頂戴メールにだまされることはない。私たちは数百のdupeアイテムを持った君たちのアカウントを釈放しやしない。
だって、どうやって弟から/ルームメイトから/元彼女からアカウントを買ったのか、そしてそのアカウントが既に500ものdupeアーティファクトをため込んでいるのは知らなかった、なんてまったく納得のできないお話を作り出すんだからね。
私たちは君たちの「隠された」アカウントのことを知っているとも。IPを変えること、ネットカフェを使ったり、支払いの方法を変えることも君が隠れる役には立たないね。私たちは君らを見つけるだろう。だから言い訳で時間を無駄にするより、バグで不正を行える別のゲームを探しに行った方がいいんじゃないか?
それか、もっといいアイデアがあるよ、君がもし何か生産的なことを見つけたら、というのはどうだろう?これは一番いいアイデアだね。

誠実なるプレイヤー諸君、お願いだ、先週から「在庫切れ」(つまり今回のbanで売り物が消えている)になった売り手からはアイテムを買わないでくれ!そもそも誰もこのUOの寄生虫たちから商品を買わなければ、彼らは詐欺を続けていくことができないだろう。
いま言ったことの中には厳しく思えることもあるかもしれない、うん、そう思う。でも私はUOを愛しているんだ、そしてUOを害する連中は本当に嫌いなんだよ。

John "Wilki" Wilkinson, UO Designer - Electronic Arts - www.uo.com
(11/16/06 11:36 PM)

(一部太字にしました。)
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実話とは明言していませんが、レアサイト的に突っ込めるのは、コブトススタチューやイベントレアが大量にDupeされたというケースを、疑惑アカウントの調査にひとつひとつあたったWilkiが語っているということです。たとえ話風ではありますが、中身は「やはり」と確信させるものでした。
というかDupe―しかも外見をコピーする半端な奴ではなく―がここまではっきり明るみに出た以上、何がDupeされたなんて話題はもはや無意味ですね。
さらに誰もが注目するであろうところは、不正ユーザーの追跡を明言している点です。IP操作、ネットカフェ、クレジットカード不使用など全否定ですよ。
先日のBanの時はしばらく泳がせて尻尾をつかんだということだったのですが、この追跡システムに蓄積されたデータは、また何かやってくれるかもしれません。
そして最後の一行はWilki兄貴のほとばしるUO愛で〆。あざっす。
[2006/11/19]