段階的染色法、Hueについて

注意:このページにはUOのデータをゲーム内とは違うやり方で直接見てしまう内容が含まれています。

ここではUOSSで手に入るInsideUOというツールを使い、UOの色情報が入っているHues.mulというファイルを見ながら進んで行きます。
実際に起動すると、何行もの色のグラデーションが現れ、行ごとに0000(0x0)番から2998(0xBB6)番まで合計で2999の番号が振られているのが分かります。
この2999通りあるグラデーションが「Hue」(色調)と呼ばれ、UO上で使われるほぼ全ての着色方法になります(こ れはInsideUOでの結果です。実際はこの数倍の領域が予約されているようですが、どちらにしろ未使用領域は漆黒のHueで仮に埋めてるだけなので 無視してよいでしょう)。

そしてこのHueは、オブジェクトの明部や暗部を豊富な濃淡の色あいで表現するための32段階のグラデーションで構成されているようです。
普通、UO内ではタブや髪の色一覧のひとつの色を決定していますが、実際の染色時には暗部から明部までが段階的に染められています。
つまり我々が染色時に見る見本の色はそれぞれのHueを代表する色にすぎず、しかも実際の染め上がりはHueのパターンによって左右されるということです。

Hueと色コード

UO内の色に焦点を当てたサイト等でよく見かけるいわゆる「色コード」というものがあると思います。例えば0001とか005Aとか4桁の16進数で 色を識別するためのものです。
これはInsideUOのHue番号を16進数表記したものと同じに思えるのですが、実はひとつ問題があります。
例えばHue番号0000はノーマルタブの原色の青なのですが、色コード0000は漆黒色になってしまうのです。 ではこの原色青はどこにあるかというと、色コード0002にあります。
次のHue0001は色コード0003、Hue0002は色コード0004なので、両者はふたつずつずれて対応しているようです。
というのも、色コードでは最初の色である原色青(0002)の前に、Hueをつけないという意味のいわゆる「デフォルト」に0x0000番を、濃淡が無くて厳密にはHue とは呼べない「漆黒」に0x0001番を与えているからなのです。
というわけで、具体的には下の表のような関係になってます。

Hue番号 色コード
- 0x0000(デフォルト)
- 0x0001(漆黒)
0x0000 0x0002
0x0001 0x0003
0x0BB6 0x0BB8

デフォルト(=染めない)と漆黒(=明暗、立体感の消去)は言わばHueではありません。しかし当サイトでは、現在日本で浸透している「色コード」にしたがって表記します。
というわけで色コードに基づいて実際にInsideUOで確認される際は、ここでの表記番号の2つ前のHueを 参照してください。例:0100→0098、000A→0008

追記:昨年の2005ハロウィンに限定オープンしたシャード「Shard of the Dead」内に設置された特殊な染め桶があったんですが、これは0から2000(だったかな)までの数字を入れることで様々な色に染めることの出来るもの でした。実際にはInsideUOの10進数の通し番号に2を足したもの、つまり色コードを10進数に変換したものそのものと共通していることを確認しまし た。もちろんすべては調べてませんが、主だったものは狙い通り色を出せました。
 この「InsideUO+2」のことはUOSSのレア板で質問に答える形で投稿したことがありますが、間違いを指摘されたりということは無かったので他 の人もこのやり方で好きな色に染められたのだろうと思います。
GMなどのスタッフがアイテムに色を付けるときもこのようなやり方でやっているならば、ふたつズレている InsideUO形式よりも、デフォルト+漆黒を入れたズレのない色コード形式の方が何かと扱いやすいだろうと改めて思った次第です。 [2006/04/26]

Hueの種類による特徴

Hueは段階的な染色法でしたが、この段階のつけ方によっては色々な特徴が出ます。ここでは、参考画像を見ながら、その特徴を見て行 きたいと思います。
画像使ったのは次のような特徴を持つVase(花瓶)です。UOTD以前から存在したクラシックな画像であり、明暗がよく出ていて、形も大きく、地色 も白系なので比較に向いていると思います。

<ノーマルタブ(=家具タブ)のベタ塗り現象>
微妙な陰影を持つUOアイテムに段階的に色を付けるHueですが、よく使われるノーマルタブおよび同じ色範囲をもつ家具タブでは、ベタ塗りっぽくなるとい う現象が起きてしまいます。
家具を染めたときなんかつらいですね。
しかし、この現象は実はいわゆるNPC布色、SPタブ色、革タブ色などでは起こらないので す。
というのも、Hue最暗部において、前者は薄い色つきの黒、後者は真っ黒であるため、前者はデフォルト画像の黒い影にも色付きの影を付 けてしまうということに原因があるからです。下の画像を見てもらうとよく分かると思います。

デフォルトノーマルタブ黄色革タブゴールデン(インゴ色)

[左からデフォルト、ノーマルタブ(適当な黄色)、革タブ染め(金インゴット色)]
真ん中のノーマルタブものは陰が飛んでしまって、デフォルトよりものっぺりして明暗の差が小さい、つまりコントラストが低くなって立体感が落ちているのが 分かると思います。一方革タブものはデフォルト画像に近いコントラストを保ってます。


<特殊な色のパターン>
○明暗逆転型
Glacial,Blaze,Goldenと呼ばれるHueなどは、暗部に明るい色、明部に暗い色を持ってきて明暗を逆転させているため次のようになりま す。
グレイシャル(氷)ブレイズゴールデン

GlacialとBlazeは、上のノーマルタブ系の画像と比べて明暗がのネガのように反転しています。
ただ、Goldenは中間が一番明るいので、猫目石のようになります。正確にはこのグループではないですが、明部が暗いからということでとりあえずまとめ て入れてます。


○明暗異系型
無理やりな造語ですが…たとえばBlueYellowのように明部が黄色、暗部が青というようにHueのグラデーションが主に明暗二系統の合成で作られて いるものを指します。画像は次のようになります。

ダークイエロー

ただの変な、あるいは綺麗な色ですね。
この花瓶のように装飾品の場合は「変な色」で済むんですが、装備品の場合、PD上で下の画像左のようないわゆるオーラ現象がおきてしまいます。

PD上のダークイエロー武具(オー ラ現象) PD上の氷武具(参考画像)

PD上の武具などは背景と同じ黒(=最暗部の色)で縁取りされていることが多いため、最暗部がきちんと暗くなるSPタブや革タブ(インゴット色が含まれ る)などのHueだと背景と同化して大丈夫なんですが、これらは暗くないどころか黒以外の色になっているので、縁取りにおいて最暗部の色(上の画像では 青)が目だってしまい、本体からオーラが出てるように見えます。
参考で挙げたGlacialなども最暗部が逆に最も明るいため縁取りが浮いて見えるんですが、こちらは本体と同系色のため、輝きを放っているような独特の 効果が出ています。

余談になりますが、武具を革タブの色(=インゴット色含む)の範囲内で生産するか染める限り、このオーラ現象は出ません。最暗部の色が PDの背景と同じ「漆黒」(ベタ黒)だからです(上記「ノーマルタブのベタ塗り現象」参照)。逆に言えば、これらの色はPD上で表示 される武具に適している色だといえるでしょう。
対してフェニックスアーマーや町の道具やで売られているアフロキャップがPD上でやばいぐらいオーラ出まくりなのは最暗部で黒が出ない ノーマルタブの範囲の色が使われているからで、本来は装備品に適していないHueなのだと思います。頭装備などは兜からはみ出す髪を 隠すために多めに黒い部分があるのでひどい有様になりますね。
これらの現象が起きるのは装備とかグラフィックが悪いというより、乗っけるHueの方がまずかったんでしょう。
追記:TAF染め粉(最暗部が漆黒ではなく、装備品には不向きなHue)の導入 でオーラ現象のひどさが露呈したあと、2005年の夏ごろぐらいでしょうか、オーラ現象は出なくなりました。おそらくUOSSで指摘されていたレイヤー (画像の層)の処理の甘さが改良されたためだと思われます。というのも、Hueには変更が入っておらず、PDにドラッグしている途中などはいまだにオーラ が見えるからです。

○例外的なHue
本来使用が意図されてなかった可能性もあるほどHueとしての体裁を保ってないものが使われていることがあります。
一番有名なのは星布(虹布)です。
これは、漆黒地に所々色が入っているだけのHueで、とても明暗を表現するグラデーションとはいえません。
外部ツールによるチートで漆黒タブが作られて漆黒服が流行る(公式本UOSE版によれば1998春頃)より前に、この半漆黒 の布がUO誕生時からバースレアとして存在していたというのは驚きであり、時には御禁制アイテムと見る向きががあったのも 無理からぬ話です。

星布色

特殊色のGoldenと比較すると分かりやすいですが、Goldenで明るいところ、つまり中間あたりの明度の色が青緑になっています。この画像ではおそ らく見えないですが、漆黒部分に青と紫のラインが入ったりしてます。
このような壊れたような色はhues.mulに沢山入っていて、いわゆる星布色が唯一の特殊な色というわけではないようです。似ていてもコードは違う可能性がありますし、もっと壊れ方がひどいのもいっぱいあ ります。


<エセリアル>
エセリアルというものは、影竜とかエセリアル騎乗動物とかに特有のものかと思ったら、イベントレアでエセ色マントが出たのでびっくりしてます。
あとで分かったのですが、このエセリアルマントはPD上では真っ黒にしか見えず、また韓国レアとかいわれているエセリアル牧羊杖も同様に黒でした。
どうもエセリアルというのは純粋な「色」ではなく、フィールド上でだけ透けてみえるように処理される一種の「効果」というか、言い表しにくいですがそのようなものだと思えてきました。