コブトスに入ると、最後の会話が交わされた。

Moonwalker: LPDOP
(order!)
: I, DEC, V, SH, SU, A, DET, C, P.
(I, DEC, V, SH, SU, A, DET, C, P)

最後の最後で返ってきた答え、だがそれはシャドウ言語ではなかったようだ。
それらは全て、もう見慣れてしまったテラサンへの教えの頭文字だったからだ。
Libramの最初はIntroduction=Iのはず。
そこに、Deception=DEC、Vengeance=V、Shadows=SH、と三原理が続く。
続いて、Survival=SU、Ambition=A、Detachment=DET、Cynicism=C、Pride=C、と組み合わせが続く。

念のために変換してみる。
最後まで出なかった文字もあるが、今分かっている以下の対応表によると…
a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z
S H A D O W B C E ? G I J K L M ? P Q R T U V ? Y ?

: I, DEC, V, SH, SU, A, DET, C, P.
= l, dih, w, ab, av, c, diu, h, r.

なにかのアナグラムになっている可能性もゼロではないが、気にしなくていいだろう。順番は読み取れたのだから。
もしこれがc,ong,r,at,ul,a,tio,n,s(おめでとう!)になっていたら失禁していたかもしれない。
ちなみに、上のシャドウ言語対応表は、最初にS,H,A,D,O,Wが来て、以降はアルファベット順になっているだろうという意見で一致した。
あえて「?」をうめるならj=F、q=N、x=X、z=Zになる。

さて、私達のLibramを求める長い旅は、引用符つきで与えられた紙片の内容を、Order(順序)通りに街で買ったノートに書き写すことで終了した。
実は最後に「題名がわからない!」というオチがつきかけたが、ブラックソーン城の戦士の言葉「Terathan Libram」にならって、そうつけることにした。
著者は自分の名前だ。
(※裏事情を言うと、このイベントを知るきっかけになったUOSSのオセアニアニュースでは、Arachnid Libramと呼ばれていたので最後までなんとなくこれがタイトルだと思っていたが、結局Arachnidという単語は出なかった。内容は広く蜘蛛を含むものだったので、TerathanかSpiderだけよりもArachnid(蜘蛛型の生き物)のほうが確かにしっくり来るが、やはりタイトルに関するヒントもタイトルにこだわる必要性も、結局見つからなかった。)

いつかマルセルに会えたら、この完成したLibramを渡したかったのだが、どうやらもう手下の募集は終わったようだ。
彼がブラックソーン城に現れたら、先にクエストを終えてマルセルと面接した人たちのように、こう話しかけたかった…
Welcome back M'Lord.(お帰りなさいませ、ご主人様)


後記
このLibramにおける記述の順番は、実にロードブリティッシュの『徳』に見られる順番を模倣したものだった。
最初に三原理徳Truth、Love、Courageが来て、そのT-L-C結合の順番(T+L、L+C...)に徳がならんで行く。
LibramもTruth-Deception、Love-Vengeance、Courage-Shadowsの順番通り対応があって、D+V、V+S...と要素の結合の順も完全に同じになる。
後に分かったことだが、『徳』を最初からよむと、三原理徳に反対する「悪徳(vice)」(または徳からの堕落(corruption))と呼ばれる概念は、それぞれ虚偽(Falsehood)、憎悪(Hatred)、臆病(Cowardice)と呼ばれるのだそうだ。
これはもちろん欺瞞(Deception)、復讐(Vengeance)、闇(Shadows)のもとになっているに違いない。

マルセル-テラサンという存在を使って試みられた悪徳の再解釈、謙譲と対になる地獄のダンジョンをDoomに設定するなど、ウルティマ世界を緻密で大胆に利用したこのクエストは、すばらしい楽しみを与えてくれた。
改めてオセアニアのEMチームに感謝し、畏敬の念を送るとともに、特にともに歩き、考え、ゲーム内外で助け合ってくれたマルセルの手下予備軍3人の縁にまず感謝したい。

※蜘蛛たちがけなしていた蛇の経典”The Serpent Codex”には、Balance(均衡)、Order(秩序)、Chaos(混沌)の三原理と、おそらくその組み合わせEthicality(倫理)、Discipline(統制)、Enthusiasm(熱狂)などが書かれていた。
これも機会があれば、本を探し出し、自分のCodexを作り上げたいと思っている。
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